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2005年12月03日

Microsoft XPSでPDFに対抗 (3) – XPS仕様

Metroの仕様書0.7版は、「Open Packaging Conventions 0.75版」(OPC)と「An Open XML Paper Specification 0.75版」(XPS)に分割されました。

0.75版で仕様書を二つに分割した目的は、OPCの適用範囲を、XPSのみではなくMicrosoft Office12のXML文書などにも広げるためでしょう。つまり、XPSというのは印刷形式のファイルですが、それだけではなくOffice12のネイティブなXMLファイルまでOPCを使うことになりそうです。

OPCの仕様書では、情報の生産者と情報の消費者の間で、情報の内容や情報源をどうやってひとまとめに(パッケージ化)して受け渡すかを決めています。パッケージを作り出す生産者は、インターネット上のサーバ、LAN上のサーバ、デスクトップPCなどであり、パッケージを使う消費者は、デスクトップPC上のビューアや、LANやデスクトップPCに接続したプリンタにあたります。

パーツという基本構成要素をまとめてパッケージを作ります。例えば、XMLを使って外部の画像を参照するテキスト文書を作成するとき、テキスト部分がひとつのパーツ、画像がもうひとつのパーツになります。これを一まとめにしたものがパッケージです。

あるパーツからは、パッケージ内部のパーツのみでなく、外部のパーツも参照できます。パッケージには参照関係をまとめて定義する関係部もあります。

パッケージ全体はZIPで圧縮されて受け渡します。

OPC仕様の特徴は次の点です:
①パッケージのパーツや関係部の記述などすべてXML仕様に準拠している。

②消費者がパッケージを開けてみなくても内容がわかるようなサムネイルを付けることができるようになっていること。

③パッケージに対してデジタル署名を付けることができること。パッケージ全体はXMLで記述されますので、デジタル署名にはXML シグネチャを使います。

XMLでドキュメントを作成すると、外部参照している画像ファイルなど多数のファイルに分かれてしまうため受け渡しの際の管理が面倒、という問題があります。このOPCはXMLドキュメントの受け渡しのためのパッケージ化にも使えるかもしれませんね。

ところで今日のお話には、PDFが一回も出てきませんでした。代わりにXMLがいっぱい出てきて閉口した人もいるかもしれません。PDFとXMLというのは相異なる目的で生まれてきたものなのですが、しかし、現在は両方ともデータとドキュメントの表現には欠かせないものとなってきています。いづれ、PDFとXMLの関係について、まとめてお話したいと思いますので、ご勘弁ください。

【参考資料】
Open Packaging Conventions:Specification and License Downloads

投稿者 koba : 2005年12月03日 08:00

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