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2005年12月29日

私がグーグルのアドワード広告を止めた理由(2)

XSL Formatterのアドワード広告は、2004年には1日あたり50件程度のクリック数で推移し、2005年に入ってから少し増えて、1日平均80件から90件になっています。多い日でも1日127件です。このクリック数が、いきなり、1日500件から600件になることは、なにか異常事態が起きていると考えるのが普通でしょう。

そこで、急いで理由を問い合わせようとしました。事情を伝えるには電話が一番良いと思いますが、しかし、グーグルのアドワード広告については、電話による問い合わせはできないようです。

やむを得ず、電子メールやファックスで、急激にクリック数が増えた原因を調べて欲しい、と依頼をしました。

■グーグルからの回答 3月28日付け電子メールの要旨
お客様の広告は平均掲載順が高いため、現在、Google検索結果ページ(Google.co.jp)の上位2位の水色の掲載位置に、最上位のアドワーズ広告が掲載される場合がございます。

なお、この検索結果の上位掲載位置への表示には、一定のクリック率(CTR)が定められ、その基準を満たした広告のみが掲載されております。

この部分へ掲載された場合は、クリック数が増加する可能性がございます。
---ここまで---

要するに、上位2位の水色の掲載位置に掲載される場合があり、その場合、クリック数が増えるということです。しかし、XSL Formatterの広告は、広告の単価を高めに設定したこと、および、製品の優位性もあると思いますが、グーグルで「XSL-FO」をキーワードに検索した結果で表示されるアドワーズ広告の中では常に最上位になっていて、2004年から上位2位の水色の位置に定番で掲載されていました。従って、グーグルからの上の回答は、的を得ていません。

この点を指摘しましたところ、今度は、次のような回答が来ました。

■グーグルからの回答 3月29日付け電子メールの要旨
お客様のアカウントを確認させていただきましたが、該当のキャンペーンの表示回数およびクリック数の増加は、検索による広告掲載によるものではなく、コンテンツターゲティング広告での表示回数およびクリック数の増加によるものです。

コンテンツターゲティング広告とは、ウェブページのコンテンツにマッチするキーワードを持つ広告を自動的に選び出して、関連するキーワードや広告を設定されてい広告主様の広告が掲載される仕組みとなります。これらの広告が掲載されるサイトは、日々増加しており、コンテンツの内容も変化するため、お客様の設定されたキーワードや広告内容とマッチしたコンテンツが増加した場合などは、広告の表示回数が増加し、それに伴いクリック数も増加いたします。
---ここまで---

要するに、「グーグルのシステムが当社のXSL Formatterの広告に設定されているキーワードとマッチするWebサイトに広告を配信する。その掲載されるサイトが増えていて、そのクリックが増加している」、という説明です。

しかし、これはクリック数急増の合理的な説明になりません。なぜかといいますと、XSL-FOは、既に2000年頃から、専門家の間では重要なトピックになっていて、特に英文のWebサイトは、大体出揃った状態になっています。また、これらの関連サイトには、3月以前よりXSL Formatterの広告(英文広告)が配信されていることは確認済です。従って、クリック数の漸増要因の説明にはなるとしても、突然急増した理由とは考えられません。

このように、何回か質問と回答を繰り返したのですが、グーグルからの回答は、判で押したような紋切り型のものばかりで、結局、なぜクリック数が急激に増えたのかについての合理的な説明はなされませんでした。

また、調査をしてみるとの約束さえももらうことができず、原因不明のままでした。そこで、やむをえず、XSL Formatter の広告掲載は停止することにしました。この時点では、PDFなど他の広告は継続していたのですが、結局、6月5日ですべての広告を止めることにしました。

広告のクリック数に対して課金する以上は、広告主に対してクリックの発生状況について説明責任があると考えられます。しかし、これに関して合理的な説明ができない、ということはグーグルのアドワーズ広告は広告媒体として失格と判断したからです。

もちろん、これは私の判断ですから、皆さんにお勧めしているわけではありませんし、これで終われば、特に公開するほどのこともないことかも知れません。(続く)

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投稿者 koba : 08:00 | コメント (0) | トラックバック