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2005年12月28日

私がグーグルのアドワーズ広告を止めた理由

昨日は、アンテナハウスが、インターネットの広告に見切りをつけて、JRの秋葉原に看板を出したことをお話しました。これはグーグルのアドワーズ広告で大変に残念な経験をしたからです。

これについて、私は半年以上にわたって公開するべきかどうか、自問自答を重ねて考えてきました。しかし、公開するほうが世の中のためになるだろうとの結論に至りましたので、2005年の年末にあたり、ここに顛末を公開します。

グーグルのアドワーズ広告は、検索結果の画面に検索のキーワードに関連するテキストの広告を表示するものです。グーグルで検索しますと、検索結果が表示されているページの右側に「スポンサー」という欄があります。

ここに表示される広告がアドワーズ広告です。この広告をクリックすると、広告に関連付けられたWebページが表示されます。広告の表示順序は、広告主が設定したクリックあたりの単価になっているようです。

ですので、自社のWebページが、検索で上位に出てこない場合でも、アドワーズ広告を使ってWebの集客が可能になるわけです。広告主への課金は、クリック数に応じた課金で、しかも従来のクリック課金の広告より安いという大変に合理的な広告に思えます。

そこで当社は、世界の市場で販売するXSL Formatterの販売促進手段として最適と考え、英語版のXSL FormatterのWebページへのリンクを広告に掲載しはじめました。

当時、XSL Formatterの競合の製品が既に広告を出していたこともあり、当社は1クリック単価を比較的高めに設定しました。その後、キーワードをいろいろ工夫して増やし、また、広告の表現(メッセージ)を工夫することで、クリック数を増やすように努力しました。2004年5月から2005年2月まで、次の図のように順調なクリック数の増加を見ています。

異変が起きたのは、2005年3月のことです。

■2004年5月から2005年3月までのXSL Formatter アドワーズ広告月間クリック数の推移
Click1.png


上の図を見ますと直ぐに気がつくと思いますが、2005年3月のクリック数が急激に増加しています。3月だけを取り出して、毎日のクリック数を見ますと次の図のようになります。

■2005年3月1日から毎日の1日あたりクリック数
Click2.PNG

3月の16日から毎日のクリック数が200件を超え、18日602件、19日475件、20日590件、21日390件、22日550件となっています。23日は131件と少し減りましたが、24日 376件、25日631件となっています。

3月のクリック数の変化が起きる時点で、私の方では特に、アドワーズ広告の設定値の変更を行ったわけではありません。

このアドワーズ広告は、1クリックあたりの単価を広告主が設定することができ、グーグルからはクリック数×クリック単価にあたる金額を請求してきます。支払いは10万円毎にクレジットカードで支払うという方式です。いまは分かりませんが、当時はクレジットカード以外の支払いを認めていませんでした。

このため、クレジットカード請求が数日に1回届くということになってしまったわけです。次の表は、クレジットカード会社からの報告書に載っている、グーグルから来たクレジットカード請求日と請求金額です。

請求金額の単位は円です。また、全て同一のクレジットカードに対する請求です。

請求日 請求金額 請求日 請求金額 請求日 請求金額 請求日 請求金額
1月2日 102,999 2月1日 100,512 3月2日 109,300 4月1日 100,988
1月8日 100,340 2月6日 103,609 3月7日 104,806 4月17日 53,077
1月17日 98,878 2月10日 104,050 3月10日 103,778 4月28日 108,243
1月24日 103,593 2月14日 101,728 3月14日 100,651
1月28日 105,535 2月17日 65,734 3月17日 107,885
2月21日 103,101 3月19日 98,376
2月25日 105,203 3月21日 101,297
3月23日 108,330
3月26日 99,045
3月31日 102,373
1月合計 511,345 2月合計 683,937 3月合計 1,035,841 4月合計 262,308

※当時は、XSL Formatterのほか、PDF(日本語)などの広告も出していました。従って、上の請求金額には、XSL Formatter関連広告とPDF関連などの広告に対する請求金額の合計となります。クリック数のグラフと1対1対応ではありませんので、ご注意ください。

さて、請求額の急増に驚いて、急いでグーグルに問い合わせをしました。(続く)

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投稿者 koba : 08:00 | コメント (0) | トラックバック