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2005年12月13日

PDFと文字(2) – 言語と文字 続き

昨日、漢字のお話をしました。漢字は中国で生まれ、中国の文化と共に周辺の国に渡って、その国の言語を表記するのに使われるようになったということはご存知のことと思います。

漢字と同じように、文化圏の広がりと共に周辺地域に普及し、その地域の言語表記に使われるようになった文字にアラビア文字があります。

アラビア文字とアラビア語を英語で表すといづれもArabicとなるため混同し易く、よく間違えますが、この二つは別の概念です。間違えないように使い分けないといけないですね。

アラビア語は聖典クルアーンの言語として、世界各地のイスラム教徒に親しまれています。このイスラム教とアラブ文化圏の広がりに伴い、アラビア文字はペルシャ語(イラン・イスラーム共和国)、ウルドゥ語(パキスタン)、現代ウイグル語(中国新疆ウイグル自治区)などの表記にも使われています。アラビア文字の場合も、ラテンアルファベット同様に、アラビア語以外では、その言語特有の音を表記するための文字・記号類が追加されています。
アラビア系文字
「アラビア系文字の基礎知識」

キリル文字もロシアをはじめスラヴ系の多数の言語の表記に使われています。ソヴィエト連邦の解体にともない、キリル文字で表記していた言語の中でラテン文字表記に変更しているものもあるようです。このように表記する文字を変更することは世代間のコミュニケーションに深刻な問題をもたらす可能性があります。
キリル文字(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)

東南アジアのタイ語、ラオス語、カンボジア語は、それぞれ特有の文字( タイ文字ラオス文字クメール文字)で表記されます。日本語のひらながとカタカナは50音というくらい、音節と文字が一対一の関係があります。これに対して、タイ語、ラオス語、カンボジア語では、発音の音素と文字字形(グリフ)が一対一に対応せず、並び時も発音順でないという複雑な関係になっています。
タイ語,ラオス語,カンボジア語(クメール語)の文字処理と組版における課題
東南アジア大陸部のインド系文字

インドには850~1700の言語があるようですが、その中でもヒンディー語は人口の約4割で使われているとのこと。ヒンディー語を表記するのに使われているのがデーヴァナーガリー文字です。この文字は、組み合わせによる表示形の変化(リガチャ)の種類が極めて多いため、コンピュータ処理の難関といえます。
インドの言語と文字
デーヴァナーガリー文字

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投稿者 koba : 08:00 | コメント (0) | トラックバック