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2005年11月07日
PDFの作成方法(5) – AcrobatでPDF
さて、今までの説明ではPostScriptに焦点をあててきましたので、「それじゃあ、PDFを作るには、PostScritptファイルを自分で作らないとだめなのだろうか?」という印象をもたれたかもしれません。
しかし、エンドユーザが簡単に使うだけなら、PostScriptについて特に意識しなくても大丈夫になっています。
最新のAcrobat7では、アプリケーションの「印刷」メニューから表示する「印刷ダイヤログ」で、プリンタ名Adobe PDF を選んで「OK」ボタンを押せば、PDFができるようになっています。
Acrobatがここまで来るには、歴史的変遷もあり、かなりややこしいことになっています。
プリンタの名前は、以前にも言いましたが、メーカが分かりやすく付けることができます。そこで、Acrobat4から以降のプリンタ・ドライバの名前の変遷を辿ると次の表のようになっています。(以下はWindows版についての話です。)
バージョン | プリンタ・ドライバ名 | インストール時カスタマイズの既定値 |
---|---|---|
Acrobat4 | Acrobat Distiller | 既定値で on |
Acrobat Writer | 既定値で on | |
Acrobat5 | Acrobat Distiller | 既定値で on |
Acrobat Writer | 既定値で off | |
Acrobat6 | Adobe PDF | |
Acrobat7 | Adobe PDF |
Acrobat4では、PDFWriterとDistillerの2種類のプリンタ・ドライバがあり、両方とも既定値でインストールされました。
Acrobat5で、Acrobat Distillerがプリンタ・ドライバの主流になり、PDFWriterは既定値ではインストールされなくなりました。
Acrobat6以降では、プリンタ・ドライバがAdobe PDFという名前のものひとつだけになりました。
最初、アドビシステムズはDistillerをプリンタ・ドライバではなく、PostScriptからPDFへの変換を行うアプリケーションとして用意しました。Acrobat4、5では、それが、プリンタ・ドライバの名前にも使われていたのですが、Acrobat6以降、Distillerという名前は、プリンタの名前ではなくなり、PostScriptからPDFへの変換を行うアプリケーションのみとなりました。
ほかに、Acrobatには、PDFMakerというものがありますので、さらにややこしくなっています。
なぜ、昔はAcrobat DistillerとPDFWriterの2種類のプリンタ・ドライバがあったのか?そして、今はひとつになってしまったのかなど、いろいろ疑問が沸きますね。
投稿者 koba : 2005年11月07日 08:00
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コメント
なるほど。そうかもしれませんね。
私は、アドビの価格戦略の一貫じゃないかと想像していたのですけど。これは、想像の域を出ません。
いづれにせよ、一本化で、すっきりして分かりやすくなったのは良いことです。
投稿者 koba : 2005年11月07日 19:08
DistillerとWriterは当時のPsドライバの出来に引きずられてるはずです
本当はすべてDistiller経由でPDFを作成したいけどPS生成時に問題が出るドキュメント
(まOfiice系ですけどね)に対してプリンタのGDIからPDFを作成するWriterを提供
(ただし互換性は落ちる、Windows環境下のみ再現性保証?)っていきさつがあったと思います
一つになったのはAdobePSの出来が良くなった点と古い環境を対象外に出来たからでしょうね
投稿者 & : 2005年11月07日 16:01