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2005年11月29日

OpenOffice文書形式を標準化

OpenOffice.org(以下、OpenOffice)とMicrosoft Officeの文書ファイル形式をめぐるせめぎ合いも熾烈です。OpenOfficeは当初から文書ファイル形式をXMLを使って定義し、情報を公開していました。それにとどまらず、Sunはe-ビジネスの標準化を推進する非営利団体OASISにOpenOfficeの文書形式を標準仕様として提唱しました。

OASISでは
OASIS Open Document Format for Office Applications (OpenDocument) TCというOfficeの文書形式標準化委員会を設定して、審議を行ったうえ、2005年1月に「Open Document V1.0」を標準形式として承認しました。ところで、この委員会の議長も書記もSunのメールアドレスになっています。これをみれば、標準化の推進にはSunの息がかかっていることは一目瞭然でしょう。

続いて、この仕様は国際標準化機関ISO JTC1に提議されています。

仕様書はこちらで入手できます:
OpenDocument v1.0 specification PDF形式

OpenDocument v1.0 specification OpenOffice形式

これに対し、MicrosoftもOffice2003でWord、EXcelのXMLファイル形式をそれぞれ、WordProcessingML(略して:WordML)、SpreadSheetMLとして設定しています。

Office2003のXMLファイル形式に関するWebページ:
Office 2003 XML リファレンス スキーマ

WordMLに関してはこちらの解説もご参照ください:
XMLに関連したWord 2003の機能(第9回多言語組版研究会資料)

ワープロソフトや表計算などのソフトウェア製品は、MicrosoftやSunなど、それを開発した会社が知的所有権を有するものであることは皆が認めるところです。これに対して、ワープロソフトや表計算で作成したデータは、本質的には、ユーザが知的所有権を有するもののはずです。しかし、これまでは、文書ファイル形式がバイナリになっていたこともあり、あまり、そのことに関する意識が高かったとは言えません。

ところが、XMLで文書ファイル形式を定義できるようになったこと、また、文書の作成手段が完全に電子化したことなどにより、特に、文書ファイルをユーザの手に取り戻そうという要求が高まってくるでしょう。この動きは、まず、欧州連合(EU)、あるいはマサチューセッツ州から始まっていますが、徐々に全世界に広がっていくと見られます。

Officeスイートの文書ファイル形式をXMLで定義する動きはOpenOfficeが先鞭をつけたと言えます。OpenOfficeはPDFネイティブ保存でも、Microsoft Officeに先行しています。このようにOfficeスイートの文書形式に関する動きを主導しているのはMicrosoftよりもむしろOpenOfficeであると言えるでしょう。

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投稿者 koba : 08:00 | コメント (1) | トラックバック