カテゴリー別アーカイブ: CAS-UB

CAS-UBの経過とV5の計画

今日は、アンテナハウスの出版物制作サービスCAS-UBのこれまでの経過と今後の予定について紹介致します。

CAS-UBのPRサイト

CAS-UBは2011年にサービスを開始して以来、既に満6年を経過しました。現在のバージョンはV4.0ですが、近々CAS-UB V5とするべく鋭意開発を進めております。

CAS-UBの目標は、本の制作やページ組版についての知識がない人が、原稿を書いただけであとはできるだけ自動的に一定品質の出版物を作成できることです。CAS-UBサービス開始時点では、印刷物のためのPDFの作成、および、EPUB3とKindle形式の電子書籍制作機能が大きなテーマでした。

当初はPDFを街のプリントショップに持ち込んで、プリントオンデマンドで本にしていました。2016年頃から流通によるプリントオンデマンドが実用的に使えるようになってきました[1]。そこで、CAS-UBで制作した本をアマゾン、楽天ブックス、hontoなどのオンラインストアで販売開始しました。

オンラインストアは少部数の本を、在庫を気にせず気軽に販売できるという長所がある版面、購入者が実際に手に取って内容や現物を確認してみることができない、という欠点があります。技術書典のようなイベントでは実際に手にとってご覧いただくことができるというのが良い点です[2]

さて、現在、V5の開発を勧めていますが、V5では主に次の機能を強化する予定です。

出版物オフラインテキスト形式(仮称)のインポートとエクスポート
現在のCAS-UBの編集作業は、ブラウザの画面で、クラウドサーバー上の出版物を対話的に操作します。出版物がいくつかの記事に分かれているとき、各記事のテキストを編集して保存し、次の記事に進む操作が必要ですが、これは若干まだるっこしく、また大きな出版物では通信の遅延が馬鹿になりません。そこで、編集中の出版物を丸ごとテキスト形式で取り出して、外部のテキストエディタで編集し、編集が終ったら戻すという出版物のオフラインテキスト形式を実用化します。実は、この機能は最初の頃からありましたが、今年になって販売済みタイトルのいくつかは、この方式で編集を実践しており、便利なことを実感しております。

現在、より使い易い物となるよう本機能を見直しております。

Webページ作成機能の強化
CAS-UBで編集した出版物はWebページとして作成できます。一年ほどまえから弊社の製品マニュアルの多くはCAS-UBで制作して、PDF、Windowsヘルプ(CHM)形式、Webページとして作成して公開しています[3]

特に製品マニュアルや一般に公開する出版物はPDFやEPUBのみではなく、Webページとして公開するのが大変効果的と感じています。

但し、現在のWebページ作成機能は、レスポンシブなWebページを生成できないなど、まだ不十分なものです。そこで、今回はWebページ作成機能をさらに強化してレスポンシブなWebページ作成もできるようにします。実用的に使っていただけるようなレベルを目指したいと考えています。

ご期待ください。

【参考資料】
[1] 流通によるプリントオンデマンドでの出版が現実のものとなった今、その活用の課題を考える。(2017年1月時点)
[2] 10月22日 技術書典3参加報告
[3] 例えば、XSL-FO の基礎 第2版 – XML を組版するためのレイアウト仕様


10月22日 技術書典3参加報告

先週日曜日(10月22日)超大型台風21号のため、東京も大雨の中、秋葉原UDXにて第3回目の技術書典が開催されました。技術書典はTechBoosterと達人出版会が主催する技術書のイベントです。アンテナハウスCAS電子出版は、初回から連続3回技術書典に参加しています。

以下では第3回目の参加報告と過去3回分の感想まとめてみます。

技術書典3の参加者は、技術季報 Vol. 2で数えますと、個人サークル171、企業23(合計194)となっています。初回は2016年6月開催で合計57サークル、第2回は2017年4月開催で合計195サークルでした。今回は開催期間が半年になりましたが、参加サークル数は前回並となったようです。

終了時の主催者の説明では入場者は、2,750人(延べでは3,000人超)となったとのことです。来場者は初回1,400人、第2回3,400人となっています。台風接近の状況としては来場者も多かったと思います。

CAS電子出版の出品書籍は次の通りです。

書籍名 発行日
“XSL-FOの基礎 XML を組版するためのレイアウト仕様 第2版” 2017年3月
“スタイルシート開発の基礎 XML と FO で簡単な本を作ってみよう” 2016年5月
“DITAのすすめ 第3版” 2017年8月
“MathML数式組版入門 Ver 1.1” 2017年7月
“PDFインフラストラクチャ解説 電子の紙PDFとその周辺技術を語り尽す 第1.1版” 2017年3月
“タグ付きPDF 仕組と制作方法解説” 2017年10月

今回始めて販売したタイトルは”タグ付きPDF 仕組と制作方法解説”です。”DITAのすすめ 第3版”と”MathML数式組版入門 Ver 1.1″が改訂版です。それ以外は、前回と同一のタイトルでした。

さて気になる販売数ですが、一番多くの方が手に取ってご覧になったのが”タグ付きPDF 仕組と制作方法解説”です。販売実績も本書が一番多くて12冊でした。タグ付きPDFは、PDFの中ではかなりニッチな仕様で日本ではあまり普及していないものです。このようなテーマの本ですので、手に取ってご覧になるのはタイトルを見てどんなものなのか? という関心をもたれたことによると思います。

その次に多くの方が手に取ってご覧になったのが、”MathML数式組版入門 Ver 1.1″です。これは手に取る方が多かったのですが、購入しないで帰る比率が高いようです。そういう方に「MathMLを使っていますか?」と聞きますと、大抵がTeXのユーザーだとお答えになります。技術書典の来場者はTeXユーザーがすごく多いようでMathMLはマイナーな存在であることを痛感します。これは、技術者にTeXが有力なのか、あるいは、主催者がTeXファンということもあるかもしれません。TeXユーザーはMathMLに関心を持ちますが、しかし、本を買って勉強するまでには至らないようです。

良く聞かれるのは、MathMLって何のためにあるのか? という質問でした。「MathMLは数式を交換・配布するためのフォーマットです。」と答えることにしています。考えてみますと、TeXをWebページで配布してMathJaxで表示する、という手段もあります。もう少し、なぜMathMLか、という説得力のある差別化の説明が欲しいところです。

技術書典3の来場者は、初回から毎回通っている人も多いようです。このため毎回同一のタイトルでは売れ行きがどんどん鈍くなります。毎回新しいテーマの本を用意しないといけない、ということですね。

【参考】
技術書典3
6月25日技術書典 大盛況でした。XMLの本にも大きな関心を寄せていただきました。(初回参加報告)
技術書典2と『PDFインフラストラクチャ解説』第1.1版、『XSL-FOの基礎 第二版』のご紹介(第2回にそなえて)


「Formatter Club セミナー2017冬」開催 緊急予告!

ご無沙汰をしています。Formatter Clubセミナー事務局です。

大盛況のうちに終えることができた7月7日のセミナーを自画自賛したきり、3ヶ月間の惰眠を貪っておりました。
この間、AH Formatter V6.5が公開され、前回のセミナーで予告した開催時期の11月も迫って来たということで、生存確認も併せて、次回「Formatter Club セミナー2017冬(仮称)」の予告をさせていただきます。

既に、Formatter Clubの会員の皆様にはご案内をしていますが、12月のお忙しい時期と重なりますので(11月開催ではなかったのかとの突っ込みについては、また別の機会にご説明を差し上げます)、取りあえずご予定だけでも押さえていただければと思います。

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□ AH Formatterユーザーのための事例紹介セミナー「Formatter Club セミナー2017冬(仮称)」を開催致します。

■ 開催日:12/8(金)午後
■ 会場:未定(東京都内)10月下旬確定予定
■ 講演内容

  • AH Formatter V6.5製品案内とお役立ち機能紹介
  • 事例紹介
    株式会社ウイング様:ドキュメント出力管理システム
    株式会社ニューキャスト様:新規事例
  • AH Formatter周辺事情:内容未定
  • XML関連製品案内
    CAS-UB:新バージョン機能紹介
    AHPDFXML:(私達が考えた)お薦め利用法ご紹介

※講演内容については変更の可能性もありますことをご了承願います。

会場、日程等の詳細については、改めてご案内をさせていただきます。
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なお、講演向けの導入事例紹介については、引き続き募集をしております。
是非とも「AH Formatter」を使った事例を公開したい、「AH Formatter」を組み込んだオリジナルアプリの発表の場にしたい、という方がいらっしゃれば、ご連絡をいただけますでしょうか。

また、「講演の時間は取れないが」と言う方は、AH Formatterの導入事例 でご紹介をさせていただきます。
如何に困難を克服したかなどのトピックがあれば、同様の課題を抱えている方の参考になると考えています。

今後も「AH Formatter」を導入されているユーザーや、関心を持っていただいている皆様と開発者とを繋ぎ、会員同士の交流、情報交換により製品の利用技術を向上させ、より皆様のお役に立てる製品としていくために努めてまいります。

次回「Formatter Clubセミナー2017冬(仮称)」も、乞うご期待!

「Formatter Club」へ参加ご希望の方は、紹介サイト より、参加申込書用 PDF をダウンロードしていただき、ご記入の上メールもしくは FAX でお申し込みください。
メールアドレス:naganawa@antenna.co.jp または nukaga@antenna.co.jp(Fomatter Club 事務局担当)
FAX 番号:03-5829-9024
また、「Formatter Club」へご要望も、同様の連絡先宛にお願い致します。


『瞬簡PDF』シリーズ マニュアル本 新版2タイトル発売になりました。地味ですが、世界最先端のイノベーションだと思います。

弊社では、昨年(2016年)6月から『瞬簡PDF』シリーズのユーザーズマニュアル(本体)をプリントオンデマンド(POD)でオンライン書店経由で発売開始しました。現在、マニュアルはPDFおよびCHM形式で作成して、ソフトウェアパッケージに同梱しています。インストール時にPCのハードディスクにコピーして、メニューから表示してご覧いただくことができます。

しかし、従来より、印刷されたマニュアルが欲しい、というお客様の声をサポートなどにいただいております。社会全体としては、徐々にペーパーレスに向かっており、紙のマニュアルは特に企業ではあまり喜ばれない存在になりつつあるように感じます。しかし、実際のところ紙の方が読み易くて良いという意見があることも事実です。

そのような場合の一番便利な手段は、マニュアルをご希望の方だけにオンデマンドでご提供することではないかと考えて、実験的にプリントオンデマンドで販売してみました。一年を経過しまして、結果として、数は少ないですが、徐々に売上が増えております。

先月から今月にかけて、『瞬簡PDF書けまっせ7』のマニュアル改訂版、および『瞬簡PDF編集7』のマニュアルの二つが発売になっていす。また、『瞬簡PDF作成8』のマニュアルは現在準備中です。


10月3日発売の『瞬簡PDF編集7』

現在販売中のPOD版マニュアル

『瞬簡PDF作成6』マニュアル2016年6月発売 税込み1,620円 アマゾン、楽天ブックス、hontoの各オンラインストアより発売
『瞬簡PDF書けまっせ7』マニュアル2.1版2017年9月発売 税込み1,728円(『書けまっせ7.2』へのアップグレードに伴いマニュアル改訂しました。)アマゾン、楽天ブックス、hontoの各オンラインストアより発売です。但し、楽天ブックス、hontoは時間がかかるようです。
『瞬簡PDF編集7』マニュアル2017年10月発売 税込み1,200円 アマゾン、hontoより発売。楽天ブックスは未発売。hontoは送料が250円かかります。

このマニュアルの制作・販売工程は、ほぼ自動化されており、制作から販売までを通してみますと、恐らく世界最先端だろうと思います。

・制作は、マニュアル執筆は手作業ですが、オンライン用PDFやPOD用PDF作成をCAS-UBという出版物製作システムを使って自動組版で行っております。原稿ができれば1日で出版取次に納品できます[1]
・紙の本のプリント製本はオンデマンドで、デジタルプリンタでプリントして自動製本で行われているはずです(これを行っている主体はアマゾンなので、たぶんです)[2]

この方式の一番良いところは、もちろん人手があまり掛からず迅速に出版できるところですが、また、在庫管理をまったく気にする必要がない、ということです。

参考資料
[1] CAS-UBで、『瞬簡PDF 書けまっせ7』のマニュアル製作、PDFの行数・文字数設定「一行文字数を増やすとページ数が増えることがある」に驚く
[2] 流通によるプリントオンデマンドでの出版が現実のものとなった今、その活用の課題を考える。


CAS-UB 9月28日の保守更新でEPUBアクセシビリティの機能強化

アンテナハウスの電子書籍制作サービスCAS-UBは、9月28日の定期保守更新でEPUBアクセシビリティ関連の機能強化しました。

一番大きな項目は、紙の本(PDF)を元にEPUBを制作するとき、原本のページ区切り位置(ページ分割マーク)をEPUBの中に設定する機能です。これにより、例えば、教室で紙の本と電子書籍(EPUB版)の両方を一緒に使って授業するとき、先生が紙の本でページ数を指定すると、EPUB版で読んでいる生徒も一緒に指定されたページを開けるようになります。

具体的にはEPUBのテキスト(XHTML形式)の中に、ページ分割マークをIDとして設定します。そして、ページ番号の一覧を表示するページ(ページリスト)を用意しておいて、EPUBリーダーがページリストからそのページにジャンプできるようにします。

便利な機能とは思いますが、普及はまだまだのようです。

◎普及していない原因としては次のことが考えられます。
サポートするEPUBリーダーが少ない。リーダーの機能としては、実現は難しいことではないと思います。しかし、今、市場に出回っているEPUBリーダーは残念ながらページリストを表示する機能をサポートしていないものが多いようです。

制作の手間がかかる。数百ページの本になると、1つのEPUBの中に数百のIDを埋め込まないといけないので、制作作業も負担になりそうです。

◎CAS-UBでは、ユーザー指定IDのマークアップ機能がありますので、これを利用してページマークを記入できるように工夫しました。

さらに、サンプルがないと実際には使い方を理解してもらいにくいかと考えて、サンプルを用意しました。サンプルは2種類あります。

(1)「暗号舞踏人の謎」(アーサー・コナン・ドイル著、三上於菟吉訳、青空文庫NDC K933)を利用して、PDF版を制作し、PDF版のページ番号をEPUBに設定したサンプル。

(2)上のサンプルは、タイトルと見出しがなく、本文中にページ分割マークを記述しています。しかし、実際にはタイトルや見出しにページ分割マークを設定する方法が重要そうです。そこで二つ目のサンプルとして、「タグ付きPDF とはなにか」という冊子作成しました。

いづれも、次のページからダウンロードしていただくことができます。

CAS-UBは本日の定期保守で、EPUBアクセシビリティ関連の機能追加などを行う予定です。

関心のお持ちの方はご覧になってみてください。


CAS-UB にデジタル出版機構様の Picassol のXML のインポート機能を追加!

弊社で開発したクラウドサービス「CAS-UB」の「外部データの入力」機能に、新たに出版デジタル機構様が開発した「Picassol」で整理済みのXMLファイルをインポートする機能を追加しました!

「Picassol」とは、(株)講談社と日本電気(株)が共同開発した高機能編集プログラム Smart Source Editor(スマート・ソース・エディター、以下SSE)をクラウドサービス化したもので、文章の構成や校閲、ルビ付けなどをクラウド上で自動で再編集することも可能です。(公式サイトより引用 http://www.pubridge.jp/picassol/)

保存形式ファイルは、XMLファイルで採用しており、紙媒体、電子媒体向けに汎用性高く扱う事ができ、また、XML内のタグもわかりやすく構成されており、タグを再構成することで、Webページとして扱う事もできます。

今回追加した機能は、その「PIcassol」の整理済みXMLのファイルのタグの情報を元に読み込み、CAS 記法に書き換えて出版物の記事としてインポートする機能になります。
主な特徴として、まず、「Picassol」で編集した文章を大まかなスタイルと合わせてそのままインポートする事ができ、インポート時は、見出しレベル章(レベル1)、節(レベル2)、項(レベル3)ごとに記事をツリー構造の状態で分割することができ、また、その分割するレベルも選択することが可能です。さらに、文字列に添えた注釈とその注釈の内容、ルビもそのまま反映されます。

機能につきましての詳細は、以下になりますので、是非利用してみて下さい!!
http://www.cas-ub.com/outline/picassol-import.html


Formatter Club 満員御礼!

早いもので、「Formatter Club」が発足してからこの7月で7年目を迎えました。
しかも、2017年7月7日とこれ以上の幸運は無いというに日に「Formatter Club【AH Formatter活用セミナー】」が開催されました。
「7」が続いてラッキー!な気分になっているところに、当初の定員を超える42名のご参加をいただきまして、お申込みをいただきました皆様には、この場をお借りてしてお礼を申し上げます。

3か月前の ブログ で開催を予告させていただきましたが、とかく腰の重たい性分で、まあまあそれなりに適当にと腰砕けになりそうなところでしたが、予告通りとは言えないまでも近い内容を実現できたのではないかと自負しています。

セミナーの概要は、こちら となります。
また、セミナー冒頭を飾りました「CAS-UB」のプレゼン資料については、こちら をご覧ください。 その他のプレゼン資料については、公開可能の承諾をいただきましたら、順次公開をさせていただく予定です。
ところで、なぜ開催の案内もなかったのに、突然に過去形の事後報告なのかという疑問は多々ありましょうが、実はこのブログの目的は次回の予告なのです。

次回は11月開催を予定しています。
既に、2社よりユーザー事例紹介の承諾をいただいています。
もし、「AH Formatter」を使った事例を紹介したい、「AH Formatter」を組み込んだオリジナルアプリの発表の場にしたい、という方がいらっしゃれば、ご連絡をいただけますでしょうか。 また、製品のお役立ち情報も、引き続きご提案をさせていただく予定です。

今後も、「AH Formatter」を導入されているユーザーや関心を持っていただいている皆様と開発者とを繋ぎ、会員同士の交流、情報交換により製品の利用技術を向上させ、より皆様のお役に立てる製品としていくために努めてまいります。

次回「Formatter Club」に、乞うご期待!

「Formatter Club」へ参加ご希望の方は、紹介サイト より、参加申込書用 PDF をダウンロードしていただき、ご記入の上メールもしくは FAX でお申し込みください。

メールアドレス:naganawa@antenna.co.jp または nukaga@antenna.co.jp(Fomatter Club 担当)
FAX 番号:03-5829-9024
また、「Formatter Club」へご要望も、同様の連絡先宛にお願い致します。


本はWeb化するか? PDFとブック型WebページとEPUBを考える

4月25日よりCAS-UBのバナーを次のように変更しました。この背景には、最近、本(PDF)、ブック型Webページ[1]、EPUBの関係について考えたことがあります。

CAS電子出版では『XSL-FOの基礎 第二版』を2017年3月に発売しました。詳しくはこちらをご覧ください:『XSL-FO の基礎 第2版 – XML を組版するためのレイアウト仕様』

本書は、現在、アマゾンなどのプリントオンデマンドによって紙の本として販売しています。一方で、4月から全文をWebページ版として公開しています。

もともと本書の出版は、本の販売収益よりもむしろ、XSL-FOという技術を普及促進し、ひいては弊社のAH Formatterの販売に繫げようということを意図しています。初版はKindle版などを販売しましたが、第二版からKindle版を見合わせて、Webページ版として公開することにしました。

これは、CAS-UB V4のユーザーガイドの体験に基づきます。CAS-UBは、V4からユーザーガイドなどのドキュメントをPDF版とWebページ版を作って両方ともWebで公開しています:CAS-UBサポート&ガイド一覧(V4よりも前はPDF版とEPUB版を公開していましたが、EPUB版はあまり利用されないようなので廃止しました)。

こうしてPDF版とWebページ版を並べておきますと、自分ではPDF版を参照することがなくなり、Webページ版を参照するようになってしまいました。主に、CAS記法の説明ページやPDF出力のガイドを参照するのですが、情報を参照する際の利便性という点ではPDFよりもWebページが圧倒的に便利です。(今頃になって! という感もありますが、情報参照のための利用という点では、PDFはWebページに決して勝てないと思います!)

利便性では:Webページ版≫PDF版>EPUB版 という状態です。

4月にMicrosoft Windows 10の大型アップデートがあり、新しいEdgeでEPUB3を表示できるようになりました。これを体験していただく参考として、Webページ版に加えて、4月21日からEPUB3の公開も始めました(EPUB復活?)。

(EPUBは、こちらからダウンロードできます:CAS電子出版出版物一覧のページ

Edgeの紹介ブログはこちら:Microsoft EdgeのEPUB表示機能はなかなか良い。これからはEdgeだと言いたいところですが、しかし、残念な点もあります。 EdgeでEPUBが復活として、ブック型情報をPDFとWebページ版とEPUB版の3つのかたちで提供できるようになりました。それが今後どうなるかです。

CAS-UBの場合は、ブック型Webページの作り方をさらに改善する必要があると考えています。CAS-UB V4のWebページ版は、短期間で作ったもので完成形とは言えない面があります。またPC版とモバイル版のWebページを統合できていないのも問題です。ということで、CAS-UBの次の課題は、Webページ版のテーマ化、レスポンシブWebページ版の選択を追加することです。

[1] 本やマニュアルのような冊子として提供されるものをWebページにしたものをブック型Webページと(勝手に)呼びます。ブック型Webページは、限定された読者を対象にします。大勢にPRすることを主目的にしませんので、横串検索あるいはSEOの観点よりも、ドリルダウンで情報を探す内部検索や、主にコンテンツ内部をナビゲーションしていく仕組みが重要と考えます。マニュアルの世界ではWebHelpと呼ぶことがあります。oXygenとか、RoboHelpなどの製品にはWebHelpという言葉が使われています。但し、WebHelpという言葉自体には厳密な定義はないようです。
[2] AH Formatter
[3] 補足ですが、今日は、ブック型Webページのデザインの考え方について書かれた本を探して、神田の三省堂本店に並んでいるWebデザインの本を端から見てみました。Webページのデザインについての解説書はたくさんありますが、大抵の解説書は魅せるデザインをどう作るかというテーマを中心に取リ上げているようです。しかも、トップページのレイアウトパターンと、1つのHTMLファイルの作り方の解説が主体です。ひと塊りのWebページをどのように構成するかという良い解説は見つかりません。テクニカルドキュメンテーションの業界ではどうなんでしょう?

続きを書きました本はWeb化するか? (続き)Webアプリケーション化したオンライン版の本 vs シンプルなHTML+CSSの本

■関連記事
「ワンソースマルチユースで拓く、ブック型Webページの未来」(本ブログと続きの2回分をまとめて整理し直しました)


本を考える Webページ シリーズ

本サイトの姉妹サイト www.cas-ub.com で、今年から、本を考えるというテーマで、シリーズのWebページを作っています。全体のテーマは本の編集・制作・流通にコンピュータを使ってどのような技術革新ができるかということです。毎週1回更新しています。毎週1回更新ですと個別ページは断片的にはなりますが、全体としてテーマに肉薄できればと期待しています。結論が見えていないのですが、今後の進展にご注目ください。

ブログと違ってWebページの方がやや全体の構成考えてまとめやすいかなと思っています。下に現在までのWebページと概要をご紹介しますので、興味をお持ちの方は覗いてみてやってください。よろしくお願いします。

流通によるプリントオンデマンドでの出版が現実のものとなった今、その活用の課題を考える。
プリントオンデマンド(POD)は印刷技術の革新ですが、これを製本システムと合体すると本を自動的に生産するシステムとなります。さらに、こうした仕組を使って本の流通をになう書店やオンラインストアがPODで本を作るようになってきました。本の流通における大きな革新が始まったといえます。

ワンソース・マルチユース実践の難しさを考える
ワンソース・マルチユースはもう随分長いことスローガンとして使われて手垢がついた言葉となっています。しかし、実際のところ、広く普及するには至っていません。どこに難しさがあるかを考えています。

本のかたちを考える―その1
本とはなにか? を大枠で考えました。

本のかたちを考える―その2 ページって何? 「ページ」と本のかたちとの関係
日本語でのページということばが使われるようになった由来、英語のページの概念を考えてみました。明治時代に洋装本で出版が始まるまで、日本にはページという言葉がなかったと思いますが、その理由も考えてみました。

本のかたちを考える―その3 主にプリントオンデマンドの本を想定したときの本の大きな構造
主に紙に印刷して製本した本の構造を整理しています。紙に印刷した本の製本の仕方にはいろいろあります。書店で売っている本は流通での取り扱いや、書店での陳列を考えて作られています。PODで作り、オンラインで販売する本はそれと比べるともっと簡素です。

CAS-UBによる本の制作工程の実例:「ECMJ流! Eコマースを勝ち抜く原理原則 シリーズ」編集・制作作業(上)
CAS電子書籍の「ECMJ流! Eコマースを勝ち抜く原理原則 シリーズ」の制作実践の報告です。(上)はプロジェクトの狙い、概要、編集の方法を整理しました。

CAS-UBによる本の制作工程の実例:「ECMJ流! Eコマースを勝ち抜く原理原則 シリーズ」編集・制作作業(中)
続いて(中)では、CAS-UBによる本の中身作り=内容の編集操作を紹介しました。

CAS-UBによる本の制作工程の実例:「ECMJ流! Eコマースを勝ち抜く原理原則 シリーズ」編集・制作作業(下)出版までの処理

参考リンク
デジタル書籍制作Webサービス CAS-UB
「ECMJ流! Eコマースを勝ち抜く原理原則 シリーズ」


プリントオンデマンド関連の実践情報ご紹介

アンテナハウスの電子出版グループでは、プリントオンデマンド(POD)による出版に真剣に取り組んでいます。

2015年11月よりアマゾンPODをはじめとし、三省堂オンデマンドなどのオンライン書店から、紙本の販売を始めています。2016年までに13タイトルとなりました。また、2017年1月に1タイトルを発売済み、販売準備中が1タイトルとなっています。

次のページに出版物の一覧を紹介しています。
アンテナハウス書籍・総合目録

ちなみに現在アマゾンPODは値引きセールが行われており、弊社の本も最大30%引きとなっています。30%引きのタイトルは次の二つです。いま、お買い得です。
「XSL-FO の基礎 XML を組版するためのレイアウト仕様」
「おにぎり水産 鬼切社長のEコマース奮闘記: ~とある地方の笹かまぼこ工場がネットショップを成功させるまで~」

プリントオンデマンドによる出版についてもう少し詳しく紹介するページも作成しました。

プリントオンデマンド(POD)の紹介
流通によるプリントオンデマンドでの出版が現実のものとなった今、その活用の課題を考える。(2017年1月時点)

弊社のプリントオンデマンドの制作は、ほとんどのタイトルを書籍編集制作サービスCAS-UBで行っています。

CAS-UBの紹介ページ

現在制作しているのは、ECマーケティング人材紹介の石田麻琴社長のブログを本にした、ECMJ流!Eコマースを勝ち抜く原理原則シリーズです。

この本の、制作工程をまとめてご紹介しているブログがこちらです。

CAS-UBによる本の制作工程:ECMJ流! 編集・制作作業の中途ふりかえり

そのほか、ECMJ流!シリーズの制作にあたって気が付いたことなど、いろいろとブログにて紹介していますので、ぜひご覧になってみてください。例えば:

CAS-UBによる本の制作工程:ECMJ流! 巻末に出典記事のリストを作成する例のご紹介 
索引の作り方を考える。一歩進んで、本文に出てこない索引語や、索引語の階層化の試み。

少し古いですが、昨年(2016年)2月に開催したセミナーでPOD出版の実践経験をご紹介しました。このスライドはかなり人気があります。

専門的書籍の 新しい制作・流通のケーススタディとして 『PDFインフラストラクチャ解説』 学びと課題 2016年2月16日

以上、簡単にPOD出版の関連情報を整理してみました。ご参考にしていただければ幸いです。


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