カテゴリー別アーカイブ: 構造化文書

DITA Festa 2016 Winter(その2):トピックタイトルの書き方から変えてコンテンツの再利用を高める

2016年12月7日~9日、3日間にわたり恒例の DITA Festa が開催されました。
初日の「DITAで何が変わったか ~ブラザーのDITA導入経緯と効果実績~」というブラザー工業さんの基調講演につづき、2日目にやはりブラザー工業さんの「ユルくないDITA のリユース徹底活用」という事例発表がありました。DITA によるコンテンツ再利用を徹底的に行っているというお話です。

再利用性を高めるためにまずトピックタイトルの書き方から変えたという話があったのですが、DITA 導入を検討されている方は参考にしていただきたいです。
DITA 導入前は

 Macintosh
  ControlCenter2
   Scan
    E-mail

というタイトルの付け方をしていたが、導入後は

Scan to Email Attachment Using ControlCenter2 (Macintosh)

というタイトルに変えられたとのことです。つまり文脈依存からトピック指向に変えることでこのコンテンツがいつでもどこでも使えるようになった、ということですね。

また当然のことながら conref や conkeyref 等もバリバリに使っていらっしゃいます。この講演の中で、それらを使うことのメリットやデメリットについて、簡潔にまとめられていました。

私も以前ブラザー工業さんが書かれたトピックファイルをチラッと拝見したことがあるのですが、conref や conkeyref がぎっしりと詰まっていて、何が書かれたファイルなのか判別できませんでした (^^; 「そこまでやるか!」と思ったものです。

※参考「conrefとconkeyref」

講演の最後に「 IA は最初が肝心。コンテンツを DITA 化する際にしっかりと情報を分析 / 分類して、どのように再利用をするかのガイドラインを決めましょう」とおっしゃっていましたが、まったくそのとおりだと思います。
弊社執筆による DITA 入門本 『DITAのすすめ(改訂版)』 でもこのことに触れています。有償ではありますが、DITA 導入を検討されている方にぜひ読んでいただきたいです。


DITA Festa 2016 Winter(その1):DITA導入の目的、導入前の不安、導入の効果が語られた

2016年12月7日~9日、3日間にわたり恒例の DITA Festa が開催されました。
初日に「DITA で何が変わったか ~ブラザーの DITA 導入経緯と効果実績~」と題しブラザー工業さんの基調講演が行われました。

ブラザー工業さんはプリンター ・ 複合機の取説を DITA 化されたのですが、特徴としては

  • モデル数が非常に多い
  • 機能が多い&複雑なことができる
  • 同じシリーズに 操作性の違うマシンが何種類もある
  • グローバルに対応している(30 言語以上)

というものがあり、DITA 導入前は

  • 機能も多くラインナップも豊富、多言語展開していて、操作性にまとまりがないために、取説制作コストがかかっていた
  • FrameMaker を使った分散執筆では、統一性のなさ、記載ミス、翻訳コスト高などでもう限界であった
  • ブック指向の書き方では、検索性が悪く、わかりにくかった。

という問題を抱えていたとのことです。
そこで DITA 導入の検討を開始したのですが、当初は

  • 複雑になりすぎて管理できなくなるかもしれない
  • 執筆しづらくて、みんなが使ってくれないかもしれない
  • そもそも、XML もよく分からないのに大丈夫?
  • どうやって皆と協調すればいいの?

といった不安があったようです。しかし DITA ベンダーや協力会社さんの助けを受けながら、なんとか導入に成功したという内容の講演でした。
結果として

  • 取説制作コストはトータルで 35% 減
  • 翻訳費は50% 減
  • DTP 費は0 円(完全自動組版)
  • リードタイム約 30% 削減

という成果を得られたとのことです。
こういった具体的な数字は表に出していただけないことが多いのですが、ここまできっぱりとおっしゃってくださって、うれしい限りです。

反省点もあります。

  • DITA はタスク指向である!ということで、タスクトピックを多くしすぎて、かえって読みづらくなってしまい、後で減らした
  • DITA 的に正しいタイトルをつけるのがなかなか難しい。気がつくと Book 指向になっていたりした
  • コンテンツがコンディションだらけになったことがあり後で直した

このあたりはの話は導入を検討されている方にとってとても参考になるのではないでしょうか。

アンテナハウスはブラザー工業さんの導入プロジェクトに参加させていただいたのですが、講演の中で「とてもいい仕事をしてくれた」とお褒めの言葉をいただきました。
本当に感謝感謝です。


AH Formatter によるウェブコンテンツアクセシビリティガイドライン(WCAG 2.0) PDF実装方法

AH Formatter は XSL1.1標準仕様の FOプロパティと AH Formatter 独自の拡張を実装しており、AH Formatter が出力する PDF のアクセシビリティ機能を利用することが可能です。

PDF Techniques for WCAG 2.0” は、W3C のワーキンググループの原稿であり “Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.0” の達成基準を満たしたいと考えるウェブコンテンツ制作者に情報を提供する文書です。日本語訳もあります(”「WCAG 2.0 実装方法集」の「11. PDF(PDF)」“)。原稿のテキストは、”Techniques for WCAG 2.0” からの抜粋です。

“PDF Techniques for WCAG 2.0” は Microsoft Word や Adobe Acrobat のようなアプリケーションを使ってアクセシブルな PDF を生成する方法を示しています。アンテナハウスのこのチュートリアルは同じ見出しを用いて(同じ順序で)、AH Formatter を使って同じ効果を得る方法を示しています。それぞれの見出しと、その見出しの後に加えた引用文は、関連する “PDF Techniques for WCAG 2.0″(日本語訳)からの抜粋です。引用文はそれぞれの実装方法を解釈する手助けとなるだろうと付け加えました。

ここに示されている AH Formatter の実装方法はほとんどが PDF/UA、あるいはタグ付きPDFを「PDFオプション設定ファイルダイアログ」でチェックを入れて、または “-tpdf” をコマンドラインで指定して PDF/UA あるいはタグ付きPDF することが要件となっています。

詳細は「AH Formatter によるウェブコンテンツアクセシビリティガイドライン(WCAG 2.0) PDF実装方法」をご覧ください。

 


★アンテナハウス セミナー・イベント情報(1月~2月)

こんにちは!ここ数日今冬最強の寒波到来で全国的に厳しい冷え込みとなっておりますが、みなさん風邪など引いてませんか?
今週1/20が大寒で、まだまだこれからが冬本番です!! お身体ご自愛下さい。

★アンテナハウス セミナー・イベント情報(1月~2月)★

  • 【ペーパーレス経理環境構築】スキャナ(スマホなど)を利用した証憑電子化とERP連携ソリューション   ~平成27,28年電子帳簿保存法要件緩和対応

    日 時: 2017年1月23日(月)13:00~17:00
    会 場: 東京都新宿区百人町2-27-6 関東ITソフトウェア健保会館
    参 加 費: 無料
    定 員: 80名
    詳細・お申込みURL:http://www.kokuchpro.com/event/0123_ERPkaikei/
  • 電子帳簿保存法の改正で、経理業務は軽減するのか。
    ~スマホを利用した証憑電子化と業務効率化・コスト削減セミナー~
     弊社益田康夫が講師として登壇します。また、会場では弊社製品 ScanSaveV2 の展示・デモを行います。奮ってご参加ください。日 時: 2017年1月25日(水)14:30~18:00(開場14:00)
    会 場: 東京都新宿区西新宿6丁目14番1号 新宿グリーンタワービル24F
    定 員: 80名
    お申し込みフォームURL: https://goo.gl/3AWUPu
  • 「page2017」出展のご案内
    【 JATS、DITA、マニュアルなど大容量の自動組版とPDF/UA出力 】
    2/8(水)-2/10(金)に開催されます、日本印刷技術協会(JAGAT)主催の「page2017」に出展いたします。昨年末にリリースとなった『AH Formatter V6.4』の新機能紹介とJATSやDITAなど大容量組版のデモを行います。ご紹介製品
    ・AH Formatter
    ・その他
    ご来場される際には、是非とも弊社ブースへお立ち寄りください。

    「PAGE2017」詳細 :http://www.page.jagat.or.jp/
    会 期: 2017年2月8日(水)~ 2017年2月10日(金)10:00~17:00
    場 所: 池袋 サンシャインコンベンションセンター
    アンテナハウスブース: 4F BT8
    お問い合わせ先: アンテナハウス(株)S1営業グループsis@antenna.co.jp

☆詳しくは、弊社ホームページをご確認下さい。
http://www.antenna.co.jp/

では、今日はこの辺で~。


Web Interface V6.0 の実行方法について

先日、『Web Interface V6.0』の特長を以下の記事でご案内しました。
Web Interface for Formatter V6.0 を近日リリース

日本語版は着々とリリース準備を進めていますが、
今回は V6.0 の実際の実行動作について少し触れたいと思います。

先の記事の通り『Web Interface』はサーバ上の『AH Formatter』を
クライアントから利用するためのサーバ側でのアプリケーション開発は必要ありません。
サーバ側で『Web Interface』のサーバプログラムを起動し、
クライアント側でクライアントプログラムを実行すれば変換結果を得られます。
もちろん、クライアント側に『AH Formatter』をインストールする必要はありません。

実際の手順はコンソールで

1.サーバ側でサーバプログラムを起動
 > cd [Server Program Install directory]
 > java -jar xds-server.jar

2.クライアント側でクライアントプログラムを実行
 クライアントプログラムの実行例
 > cd [Client Program Install directory]
 > java -jar xds-client.jar -xds-host 10.1.10.6 -d C:\tmp\sample.fo -o C:\tmp\output.pdf
 ※ -xds-host で対象となるサーバを指定しています。

3.サーバとクライアントの両方のコンソールに経過が流れて、
 変換結果がクライアント側の指定した出力ディレクトリ内に格納されます。

V6.0 では『AH Formatter』のコマンドラインインターフェイスと同じパラメタを提供するため、
『AH Formatter』をご利用の方には馴染み深いものになるかと思います。

現時点では英語版(英語サイト)のみのご用意となっておりますが、
日本語版のリリースに至りましたらまた告知いたします。

なお、2016年12月13日(火)に開催する新製品紹介セミナーでも『Web Interface』のご紹介をいたします。
ご興味ございましたら是非ご参加ください。
セミナーの詳細及びお申し込み等は、次のページをご覧ください。
アンテナハウス新製品紹介セミナー [Server Based Converter]、[AH Formatter] の新バージョンのご紹介

 


AH Formatter 機能のご紹介:マルチメディアの参照

AH Formatter』では、V6.3 改訂1版よりマルチメディアを PDF に埋め込むかどうかが指定可能になりました。
axf:multimedia-treatment / CSS -ah-multimedia-treatment(オンラインマニュアル)

『AH Formatter』のサンプルFO集には、本機能の “relative-link(マルチメディアを相対パスで参照)” の動作が確認できるサンプル「マルチメディアの参照 (, axf:multimedia-treatment, content-type)」を掲載しております。

開発の発端は、Web に公開する PDF のファイルサイズを小さくするため、PDF に動画を埋め込まずに参照できるようにして欲しいというお客様からの要望でした。
この機能を用いて PDF を作成することで、マルチメディアを含んだ PDF のファイルサイズ軽減を実現できます。

『AH Formatter』は主にバージョンアップのたびに機能強化や新機能の追加を行っています。
“あったら便利な機能” も既に追加されていることがございますので、どうぞお気軽にサポートにお問い合わせください。
未実装の機能であれば、ご要望として承り、今後の開発の参考にさせていただきます。

『AH Formatter』の評価版は次のページよりお申し込みいただけます。ご興味のある方は是非お試しください。
AH Formatter 評価版のお申し込み

 


SAPの大規模DITA導入事例の進展(2016年11月)

前回(ドイツTC World Conference 2016でのDITA)に続き、ドイツのDITA報告です。

ドイツに本社をもつSAPは全世界をカバーする大規模なDITA導入を進めています。
11月8日Tekomでは、Dr. Sven Leukert氏(独SAP)とPriscilla Buckley氏(仏SAP)による「From Custom XML to DITA」と題する講演があり、また11月13日のDITA OT Dayでは、「Large Scale Production Using Project Maps」という題でyoussef Bennani (仏SAP)の報告がありました。さらに、11月14日~15日に開催されたDITA Europe 2016でも二つのセッションで発表がありました。

SAPのDITAについては、2年前にDITAコンソーシアムジャパンのFestaでDr. Sven Leukertに講演していただきました。SAPはそれまで独自のCMSと独自XMLを使っていましたが、2011年に全社的にDITAを導入することを決め、IXIASOFTのCMSを選択しました。SAPは多くの企業や製品のM&Aを進めており、社内でドキュメント制作の方法がバラバラになってしまったことから、DITAを採用してドキュメント制作を効率化する狙いがありました。

移行のためにChange Management(移行管理)専門の担当者を配置し、また影響を受ける各領域のワークグループとChange Agent(移行担当者)が中央のプロジェクトと連携して移行を進めるという組織的かつ大がかりな移行を計画しました。

2012年第1四半期にキックオフし、2012年第4四半期に、HANAのユーザーガイドをDITAで制作したガイドが初リリースとなりました。その後もDITAの展開をすすめ、2016年には、オーサー700人以上で300製品、47言語、DITAファイルは320万以上に達するとのことです。これを、20種類以上の形式で、毎夜6万以上、自動的に出版しています(レビュー用の出版のようです)。出版の形式には、HTML5やWebHELPなどのオンライン用形式やPDFを含んでおり、PDF生成には、Antenna House Formatterが使われています。SAPのプロジェクトは、恐らく現時点で世界最大のDITAプロジェクトと思われます。

SAPのDITAの成果物生成でキーになっているのはProject Mapです。Project MapはDITAのmapを特殊化したもので、製品毎に成果物の出力条件を設定しています。成果物の形式(HTML、CHM、PDF、Eclipshelpなど)はプロジェクトにより、少ないものから、多いものがあります。小さなProjectでは、Project Mapは10件に満たないようですが、大きなProjectでは数百になることがあるようです。Project MapはCMSに統合されているEclispe開発環境で管理しています。

ERP、CRM、SCMなどの製品には共通の基本部(Basis)が使われています。Project Mapには製品と基本部で分けて作成階層化されており、依存関係を規定します。成果物の生成時にはProject Mapに規定される依存関係でリンクをチェックして、正しくないリンクは削除して、エラーをログに出力します。執筆担当者は、ログをみてリンクの設定を修正できます。


Server Based Converter の活用法(2)

■ Antenna House Formatter と組み合わせた文書配信システム

Server Based Converter は、Microsoft Office 文書だけではなく、PDF からも画像、SVG, Flash といった形式のファイルを生成できます。企業ユーザ様、特にグローバル企業では、マニュアルを製作するときに、DITA という規格によって XML 文書を作り、それから PDF を生成することが行われています。
DITA 規格の XML 文書から PDF を生成する際に、欧米のグローバル企業からも非常に高い評価を得ている Antenna House Formatter を使います。こうして出来上がった PDF は、Server Based Converter で、さまざま形式に変換して配信することができます。

PC に配信する場合は、PDF のままで配信できますが、モバイル端末、携帯電話では、PDF が表示できない場合があります。また、PDF が表示できるスマートフォンでも、画像や SVG, Flash といった形式が都合がいい場合があります。その場合、端末の特性、能力に合わせて、画像、SVG、Flash に変換することで、文書を配信するのです。

システムのイメージは、
サーバベース・コンバーター 活用例
にある
携帯電話閲覧用コンバータ
です。

実際に、このように Antenna House Formatter と Server Based Converter を組み合わせて、数多くの PDF を生成し、生成された PDF から必要な部分を抜き出し、Server Based Converter で変換して、毎日、数千ページものページを、配信するシステムを構築しているお客様がいらっしゃいます。

Antenna House Formatterに関する詳しい情報は、
Antenna House Formatter
をご覧ください。

アンテナハウスでは、DITA に関するサービスやコンサルティングも行っています。
詳しくは、
DITA
をご覧ください。

〒103-0004
東京都中央区東日本橋2-1-6 東日本橋藤和ビル5F
アンテナハウス株式会社
◆ご購入に関するお問い合わせ(祝日を除く月~金曜日9:30~18:00)
TEL : 03-5829-9021
FAX : 03-5829-9023
E-mail: sis@antenna.co.jp
URL : http://www.antenna.co.jp/

Server Based Converter は、Microsoft Office, PDF などのファイルを、PDF, Flash, SVG, 各種画像形式にダイレクトに変換する変換エンジンです。 ダイレクト変換の意味は、たとえば、Microsoft Office がない環境でも、ファイルさえあれば、それをダイレクトに内容を見える形式に変換できるのです。ダイレクト変換には、Microsoft Office のライセンスも不要です。
Server Based Converter は、ダイレクト変換というユニークさが評価され、多くのウェブサービス、パブリッククラウド、プライベートクラウドなどで利用されています。

Server Based Converter に関する詳しい情報は、
Server Based Converter
を、ぜひ、ご覧ください。

評価版もご用意しております。
サーバベース・コンバーター 評価版のお申し込み
から、お申し込みください。

<< Server Based Converter の活用法(1)  Server Based Converter の活用法(3) >>


ドイツTC World Conference 2016でのDITA

2016年11月8日~9日、ドイツのシュトットガルドで開催されたTC World Conference 2016(TEKOM2016)に参加しました。アンテナハウスは会社としては、米国の販売会社が、7,8年継続して同展示会に参加しています。TEKOM2016はプロの制作者を対象としており、従来もかなり多くのAH Formatterの見込み客の来訪がありましたので、今年も次のようなブースを構えて出展しました。

IMG_20161109_204506

もう一つの目的として、TEKOM2016に参加して、ドイツでのDITAの進展状況を見てみたいと考えました。ドイツはXMLの利用ではアメリカに次いで大きな市場となっているようで、AH Formatterのユーザー数も米国に次いで多くなっています。しかし、これまでの情報では、ドイツではプロプライエタリーのXMLを利用するCMSやドキュメント制作ソリューションが充実しており、DITAの採用があまり進んでいないと言われています。そして、その理由としては、DITAは北米のソフトウェア会社主体で普及していますが、ドイツは機械工業や自動車などの歴史の長い産業が隆盛なことが挙げられています。

今年のTEKOM2016では、11月7日はDITAのセッションだけを行う部屋が一つ割り当てられて、DITAトラックが提供されました。また、11月8日はDITAトラックはなかったものの、同じ部屋でDITAのセッションが幾つか提供されました。

DITAに関するトラックは、満員とは言わないまでも、大体、席の半分位は埋まっており、かなり関心を集めているようでした。

プレゼンテーションの多くは、入門的なものが多かったのですが、SAPとSiemensの2社からケーススタディの発表がありました。SAPのケーススタディは、昨年DITA コンソーシアムジャパンで発表していただいたものの続きでした。これについては後日もう少し詳しく紹介したいと思います。

さて、ドイツのDITAについていうと、ドイツのXMLドキュメントソリューションベンダーはDITAには熱心でなく、北米やその他のいつものDITAベンダーやコンサルタントが熱心にDITAを売り込んでいるという状況はあまり変わりないようです。但し、SAP、Siemensといった大手の企業が熱心に取り組んでいるのと、ドイツのコンサルタントの人が中小企業でも少しDITAの導入が始まっている、と言っていたのが印象的でした。

ところで、今夜(現地時間13日夜)は、Dr. JoAnn Hackosの引退セレモニーがありました。そこにいた人に聞いたのですが、彼の会社はドイツの印刷機械・プラスティック包装機械の会社です、2004年頃からDITAを使っているとのことでした。彼が言うには、シンプルなDITAで十分使える。他の会社がDITAを使わないのは問題意識がないからだ、とのことです。

続きはこちら


Table のアクセシビリティ

現在 table のアクセシビリティについての開発を行っているのですが、最近社内で XSLT 勉強会に参加しているせいか、ふと、XSLT でどうすれば自動的にアクセシビリティ対応が図れるのか気になったので検討してみたいと思います。なお、今回はアクセシビリティ関連の属性の内 scope 属性に関してのみ焦点を当てます。複雑な表の場合、headers属性の使用が推奨されていますが、現時点の私の技術力ではとても自動化などできそうにないので、今回は scope 属性に絞らせていただきました。ちなみに、scope 属性は HTML5 と同様のものだとさせて頂きます。また、XSL-FO プロセサが scope 属性に対応しているとします。

table 自体のスキーマは以下の様になっているとします。普通は、thr と tr を分けるような事はしないとおもいますが、今回は問題を簡易化にするために分けています。また、theader 内の見出しは列方向に対するもの、tbody 内の見出しは行方向に対するものとします。

table := (theader)?,(tbody)+
theader := thr
tbody := (tr)+
thr := (th)+
tr := (th)?,(td)+
th := 見出し
td := データ

また、th に対するテンプレートしか載せませんが、以下の様になっているとします。

<xsl:template match="th">
    <fo:table-cell>
      <fo:block>
        <xsl:apply-templates/>
      </fo:block>
    </fo:table-cell>
</xsl:template>

以下の様に theader が一行で、th が theader 内にしか存在しない場合だと簡単そうですね。

  <table>
    <theader>
      <thr>
        <th>見出し1</th>
        <th>見出し2</th>
        <th>見出し3</th>
      </thr>
    </theader>
    <tbody>
      <tr>
        <td>データ11</td>
        <td>データ12</td>
        <td>データ13</td>
      </tr>
      <tr>
        <td>データ21</td>
        <td>データ22</td>
        <td>データ23</td>
      </tr>
    </tbody>
  </table>

scope 属性を値 col で追加すればそれで対応完了です。後の事を考え、以下の様に <xsl:choose> を使い、th の祖先ノードを見て scope 属性を付与するということをします。

 <xsl:template match="th">
    <fo:table-cell>
      <xsl:choose>
        <xsl:when test="../../self::theader">
          <xsl:attribute name="scope">col</xsl:attribute>
        </xsl:when>
      </xsl:choose>
      <fo:block>
        <xsl:apply-templates/>
      </fo:block>
    </fo:table-cell>
</xsl:template>

次はスキーマに沿った、tbody の一列目にも th 存在する場合も考えてみます。

   <table>
    <theader>
      <thr>
        <th>見出し1</th>
        <th>見出し2</th>
        <th>見出し3</th>
      </thr>
    </theader>
    <tbody>
      <tr>
        <th>見出し11</th>
        <td>データ11</td>
        <td>データ12</td>
      </tr>
      <tr>
        <th>見出し12</th>
        <td>データ21</td>
        <td>データ22</td>
      </tr>
    </tbody>
  </table>

tbody の最初の子 th に値 row で scope 属性を与えれば良いだけなので簡単ですね。また、入力 XML がスキーマに沿わない場合に備え、<xsl:otherwise> 節を追加してエラー処理を追加するのも良いかもしれません。

 <xsl:template match="th">
    <fo:table-cell>
      <xsl:choose>
        <xsl:when test="../../self::theader">
          <xsl:attribute name="scope">col</xsl:attribute>
        </xsl:when>
        <xsl:when test="../../self::tbody and position()=1">
          <xsl:attribute name="scope">row</xsl:attribute>
        </xsl:when>
      </xsl:choose>
      <fo:block>
        <xsl:apply-templates/>
      </fo:block>
    </fo:table-cell>
</xsl:template>

今回はすごく簡単な例しか取り上げませんでしたが、次回までに私の XSLT 力が向上していたら複雑な表や、多種の表の場合を扱ってみたいと思います。恐らく多種の複雑な表を扱う場合、自動での scope 属性の付与は難しく、入力スキーマ自体に表の種類に関する情報を入れたりする必要が出てきそうです。


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