カテゴリー別アーカイブ: 構造化文書

本を考える Webページ シリーズ

本サイトの姉妹サイト www.cas-ub.com で、今年から、本を考えるというテーマで、シリーズのWebページを作っています。全体のテーマは本の編集・制作・流通にコンピュータを使ってどのような技術革新ができるかということです。毎週1回更新しています。毎週1回更新ですと個別ページは断片的にはなりますが、全体としてテーマに肉薄できればと期待しています。結論が見えていないのですが、今後の進展にご注目ください。

ブログと違ってWebページの方がやや全体の構成考えてまとめやすいかなと思っています。下に現在までのWebページと概要をご紹介しますので、興味をお持ちの方は覗いてみてやってください。よろしくお願いします。

流通によるプリントオンデマンドでの出版が現実のものとなった今、その活用の課題を考える。
 プリントオンデマンド(POD)は印刷技術の革新ですが、これを製本システムと合体すると本を自動的に生産するシステムとなります。さらに、こうした仕組を使って本の流通をになう書店やオンラインストアがPODで本を作るようになってきました。本の流通における大きな革新が始まったといえます。

ワンソース・マルチユース実践の難しさを考える
 ワンソース・マルチユースはもう随分長いことスローガンとして使われて手垢がついた言葉となっています。しかし、実際のところ、広く普及するには至っていません。どこに難しさがあるかを考えています。

本のかたちを考える―その1
 本とはなにか? を大枠で考えました。

本のかたちを考える―その2 ページって何? 「ページ」と本のかたちとの関係
 日本語でのページということばが使われるようになった由来、英語のページの概念を考えてみました。明治時代に洋装本で出版が始まるまで、日本にはページという言葉がなかったと思いますが、その理由も考えてみました。

本のかたちを考える―その3 主にプリントオンデマンドの本を想定したときの本の大きな構造
 主に紙に印刷して製本した本の構造を整理しています。紙に印刷した本の製本の仕方にはいろいろあります。書店で売っている本は流通での取り扱いや、書店での陳列を考えて作られています。PODで作り、オンラインで販売する本はそれと比べるともっと簡素です。

CAS-UBによる本の制作工程の実例:「ECMJ流! Eコマースを勝ち抜く原理原則 シリーズ」編集・制作作業(上)
 CAS電子書籍の「ECMJ流! Eコマースを勝ち抜く原理原則 シリーズ」の制作実践の報告です。(上)はプロジェクトの狙い、概要、編集の方法を整理しました。

CAS-UBによる本の制作工程の実例:「ECMJ流! Eコマースを勝ち抜く原理原則 シリーズ」編集・制作作業(中)
 続いて(中)では、CAS-UBによる本の中身作り=内容の編集操作を紹介しました。

参考リンク
デジタル書籍制作Webサービス CAS-UB
「ECMJ流! Eコマースを勝ち抜く原理原則 シリーズ」


「スタイルシート開発の基礎」では組版サンプルを使って学習を進められます。

アンテナハウスでは、組版用XSLTスタイルシート作成方法を学べる書籍『スタイルシート開発の基礎』を販売しています。

本書は組版ソフト『AHFormatter』を利用し「簡単な紙の本」を組版するためのスタイルシートを徐々に仕上げていく内容です。

章を追う毎に、見出しを作成できたり、目次が付いたり、縦書きに対応したり……と次第にスタイルシートが進化していく様を見ながら、XSLTによる組版を学習できる書籍となっています。 「スタイルシート作成のチュートリアル本」と言っても良いかもしれません。

実際に本書で学習し始めると
「本に掲載されているコードをすぐ試してみたい」
「コードの変化を確認したい」
「紹介されているコードをカスタマイズして使いたい」
といった要望がでるかもしれません

そこで、弊社は学習に便利な「組版サンプル」を公開しています。
こちらのサンプルは、本書で使用するXML原稿と、XSLTスタイルシートサンプルのセットとなっています。

サンプルスタイルシートには、本書内でスタイルシートを加筆修正した結果を区切りの良いところで分け、複数のファイルに反映しています。 よって、本書内のスタイルシート変遷を実際に手元で確認しながら学習を進めることが出来ます。

また、サンプルはCC-BYの扱いですので、著作権者の表示をしていただければ、複製または改変し、頒布や実演を行うことも可能です。サンプルのパラメタを変更して、組版出力の変化を確認することもできるので、自前のスタイルシートを作成する土台として利用するのも良いかもしれません。

組版ライフのスタートや、さらなる組版学習に、ぜひ 本書 および サンプル集 をご活用ください。


プリントオンデマンド関連の実践情報ご紹介

アンテナハウスの電子出版グループでは、プリントオンデマンド(POD)による出版に真剣に取り組んでいます。

2015年11月よりアマゾンPODをはじめとし、三省堂オンデマンドなどのオンライン書店から、紙本の販売を始めています。2016年までに13タイトルとなりました。また、2017年1月に1タイトルを発売済み、販売準備中が1タイトルとなっています。

次のページに出版物の一覧を紹介しています。
アンテナハウス書籍・総合目録

ちなみに現在アマゾンPODは値引きセールが行われており、弊社の本も最大30%引きとなっています。30%引きのタイトルは次の二つです。いま、お買い得です。
「XSL-FO の基礎 XML を組版するためのレイアウト仕様」
「おにぎり水産 鬼切社長のEコマース奮闘記: ~とある地方の笹かまぼこ工場がネットショップを成功させるまで~」

プリントオンデマンドによる出版についてもう少し詳しく紹介するページも作成しました。

プリントオンデマンド(POD)の紹介
流通によるプリントオンデマンドでの出版が現実のものとなった今、その活用の課題を考える。(2017年1月時点)

弊社のプリントオンデマンドの制作は、ほとんどのタイトルを書籍編集制作サービスCAS-UBで行っています。

CAS-UBの紹介ページ

現在制作しているのは、ECマーケティング人材紹介の石田麻琴社長のブログを本にした、ECMJ流!Eコマースを勝ち抜く原理原則シリーズです。

この本の、制作工程をまとめてご紹介しているブログがこちらです。

CAS-UBによる本の制作工程:ECMJ流! 編集・制作作業の中途ふりかえり

そのほか、ECMJ流!シリーズの制作にあたって気が付いたことなど、いろいろとブログにて紹介していますので、ぜひご覧になってみてください。例えば:

CAS-UBによる本の制作工程:ECMJ流! 巻末に出典記事のリストを作成する例のご紹介 
索引の作り方を考える。一歩進んで、本文に出てこない索引語や、索引語の階層化の試み。

少し古いですが、昨年(2016年)2月に開催したセミナーでPOD出版の実践経験をご紹介しました。このスライドはかなり人気があります。

専門的書籍の 新しい制作・流通のケーススタディとして 『PDFインフラストラクチャ解説』 学びと課題 2016年2月16日

以上、簡単にPOD出版の関連情報を整理してみました。ご参考にしていただければ幸いです。


DITA Festa 2016 Winter(その2)

2016年12月7日~9日、3日間にわたり恒例の DITA Festa が開催されました。
初日の「DITAで何が変わったか ~ブラザーのDITA導入経緯と効果実績~」というブラザー工業さんの基調講演につづき、2日目にやはりブラザー工業さんの「ユルくないDITA のリユース徹底活用」という事例発表がありました。DITA によるコンテンツ再利用を徹底的に行っているというお話です。

再利用性を高めるためにまずトピックタイトルの書き方から変えたという話があったのですが、DITA 導入を検討されている方は参考にしていただきたいです。
DITA 導入前は

 Macintosh
  ControlCenter2
   Scan
    E-mail

というタイトルの付け方をしていたが、導入後は

Scan to Email Attachment Using ControlCenter2 (Macintosh)

というタイトルに変えられたとのことです。つまり文脈依存からトピック指向に変えることでこのコンテンツがいつでもどこでも使えるようになった、ということですね。

また当然のことながら conref や conkeyref 等もバリバリに使っていらっしゃいます。この講演の中で、それらを使うことのメリットやデメリットについて、簡潔にまとめられていました。

私も以前ブラザー工業さんが書かれたトピックファイルをチラッと拝見したことがあるのですが、conref や conkeyref がぎっしりと詰まっていて、何が書かれたファイルなのか判別できませんでした (^^; 「そこまでやるか!」と思ったものです。

※参考「conrefとconkeyref」

講演の最後に「 IA は最初が肝心。コンテンツを DITA 化する際にしっかりと情報を分析 / 分類して、どのように再利用をするかのガイドラインを決めましょう」とおっしゃっていましたが、まったくそのとおりだと思います。
弊社執筆による DITA 入門本 『DITAのすすめ(改訂版)』 でもこのことに触れています。有償ではありますが、DITA 導入を検討されている方にぜひ読んでいただきたいです。


DITA Festa 2016 Winter(その1)

2016年12月7日~9日、3日間にわたり恒例の DITA Festa が開催されました。
初日に「DITA で何が変わったか ~ブラザーの DITA 導入経緯と効果実績~」と題しブラザー工業さんの基調講演が行われました。

ブラザー工業さんはプリンター ・ 複合機の取説を DITA 化されたのですが、特徴としては

  • モデル数が非常に多い
  • 機能が多い&複雑なことができる
  • 同じシリーズに 操作性の違うマシンが何種類もある
  • グローバルに対応している(30 言語以上)

というものがあり、DITA 導入前は

  • 機能も多くラインナップも豊富、多言語展開していて、操作性にまとまりがないために、取説制作コストがかかっていた
  • FrameMaker を使った分散執筆では、統一性のなさ、記載ミス、翻訳コスト高などでもう限界であった
  • ブック指向の書き方では、検索性が悪く、わかりにくかった。

という問題を抱えていたとのことです。
そこで DITA 導入の検討を開始したのですが、当初は

  • 複雑になりすぎて管理できなくなるかもしれない
  • 執筆しづらくて、みんなが使ってくれないかもしれない
  • そもそも、XML もよく分からないのに大丈夫?
  • どうやって皆と協調すればいいの?

といった不安があったようです。しかし DITA ベンダーや協力会社さんの助けを受けながら、なんとか導入に成功したという内容の講演でした。
結果として

  • 取説制作コストはトータルで 35% 減
  • 翻訳費は50% 減
  • DTP 費は0 円(完全自動組版)
  • リードタイム約 30% 削減

という成果を得られたとのことです。
こういった具体的な数字は表に出していただけないことが多いのですが、ここまできっぱりとおっしゃってくださって、うれしい限りです。

反省点もあります。

  • DITA はタスク指向である!ということで、タスクトピックを多くしすぎて、かえって読みづらくなってしまい、後で減らした
  • DITA 的に正しいタイトルをつけるのがなかなか難しい。気がつくと Book 指向になっていたりした
  • コンテンツがコンディションだらけになったことがあり後で直した

このあたりはの話は導入を検討されている方にとってとても参考になるのではないでしょうか。

アンテナハウスはブラザー工業さんの導入プロジェクトに参加させていただいたのですが、講演の中で「とてもいい仕事をしてくれた」とお褒めの言葉をいただきました。
本当に感謝感謝です。


AH Formatter によるウェブコンテンツアクセシビリティガイドライン(WCAG 2.0) PDF実装方法

AH Formatter は XSL1.1標準仕様の FOプロパティと AH Formatter 独自の拡張を実装しており、AH Formatter が出力する PDF のアクセシビリティ機能を利用することが可能です。

PDF Techniques for WCAG 2.0” は、W3C のワーキンググループの原稿であり “Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.0” の達成基準を満たしたいと考えるウェブコンテンツ制作者に情報を提供する文書です。日本語訳もあります(”「WCAG 2.0 実装方法集」の「11. PDF(PDF)」“)。原稿のテキストは、”Techniques for WCAG 2.0” からの抜粋です。

“PDF Techniques for WCAG 2.0” は Microsoft Word や Adobe Acrobat のようなアプリケーションを使ってアクセシブルな PDF を生成する方法を示しています。アンテナハウスのこのチュートリアルは同じ見出しを用いて(同じ順序で)、AH Formatter を使って同じ効果を得る方法を示しています。それぞれの見出しと、その見出しの後に加えた引用文は、関連する “PDF Techniques for WCAG 2.0″(日本語訳)からの抜粋です。引用文はそれぞれの実装方法を解釈する手助けとなるだろうと付け加えました。

ここに示されている AH Formatter の実装方法はほとんどが PDF/UA、あるいはタグ付きPDFを「PDFオプション設定ファイルダイアログ」でチェックを入れて、または “-tpdf” をコマンドラインで指定して PDF/UA あるいはタグ付きPDF することが要件となっています。

詳細は「AH Formatter によるウェブコンテンツアクセシビリティガイドライン(WCAG 2.0) PDF実装方法」をご覧ください。

 


★アンテナハウス セミナー・イベント情報(1月~2月)

こんにちは!ここ数日今冬最強の寒波到来で全国的に厳しい冷え込みとなっておりますが、みなさん風邪など引いてませんか?
今週1/20が大寒で、まだまだこれからが冬本番です!! お身体ご自愛下さい。

★アンテナハウス セミナー・イベント情報(1月~2月)★

  • 【ペーパーレス経理環境構築】スキャナ(スマホなど)を利用した証憑電子化とERP連携ソリューション   ~平成27,28年電子帳簿保存法要件緩和対応

    日 時: 2017年1月23日(月)13:00~17:00
    会 場: 東京都新宿区百人町2-27-6 関東ITソフトウェア健保会館
    参 加 費: 無料
    定 員: 80名
    詳細・お申込みURL:http://www.kokuchpro.com/event/0123_ERPkaikei/
  • 電子帳簿保存法の改正で、経理業務は軽減するのか。
    ~スマホを利用した証憑電子化と業務効率化・コスト削減セミナー~
     弊社益田康夫が講師として登壇します。また、会場では弊社製品 ScanSaveV2 の展示・デモを行います。奮ってご参加ください。日 時: 2017年1月25日(水)14:30~18:00(開場14:00)
    会 場: 東京都新宿区西新宿6丁目14番1号 新宿グリーンタワービル24F
    定 員: 80名
    お申し込みフォームURL: https://goo.gl/3AWUPu
  • 「page2017」出展のご案内
    【 JATS、DITA、マニュアルなど大容量の自動組版とPDF/UA出力 】
    2/8(水)-2/10(金)に開催されます、日本印刷技術協会(JAGAT)主催の「page2017」に出展いたします。昨年末にリリースとなった『AH Formatter V6.4』の新機能紹介とJATSやDITAなど大容量組版のデモを行います。ご紹介製品
    ・AH Formatter
    ・その他
    ご来場される際には、是非とも弊社ブースへお立ち寄りください。

    「PAGE2017」詳細 :http://www.page.jagat.or.jp/
    会 期: 2017年2月8日(水)~ 2017年2月10日(金)10:00~17:00
    場 所: 池袋 サンシャインコンベンションセンター
    アンテナハウスブース: 4F BT8
    お問い合わせ先: アンテナハウス(株)S1営業グループsis@antenna.co.jp

☆詳しくは、弊社ホームページをご確認下さい。
http://www.antenna.co.jp/

では、今日はこの辺で~。


Web Interface V6.0 の実行方法について

先日、『Web Interface V6.0』の特長を以下の記事でご案内しました。
Web Interface for Formatter V6.0 を近日リリース

日本語版は着々とリリース準備を進めていますが、
今回は V6.0 の実際の実行動作について少し触れたいと思います。

先の記事の通り『Web Interface』はサーバ上の『AH Formatter』を
クライアントから利用するためのサーバ側でのアプリケーション開発は必要ありません。
サーバ側で『Web Interface』のサーバプログラムを起動し、
クライアント側でクライアントプログラムを実行すれば変換結果を得られます。
もちろん、クライアント側に『AH Formatter』をインストールする必要はありません。

実際の手順はコンソールで

1.サーバ側でサーバプログラムを起動
 > cd [Server Program Install directory]
 > java -jar xds-server.jar

2.クライアント側でクライアントプログラムを実行
 クライアントプログラムの実行例
 > cd [Client Program Install directory]
 > java -jar xds-client.jar -xds-host 10.1.10.6 -d C:\tmp\sample.fo -o C:\tmp\output.pdf
 ※ -xds-host で対象となるサーバを指定しています。

3.サーバとクライアントの両方のコンソールに経過が流れて、
 変換結果がクライアント側の指定した出力ディレクトリ内に格納されます。

V6.0 では『AH Formatter』のコマンドラインインターフェイスと同じパラメタを提供するため、
『AH Formatter』をご利用の方には馴染み深いものになるかと思います。

現時点では英語版(英語サイト)のみのご用意となっておりますが、
日本語版のリリースに至りましたらまた告知いたします。

なお、2016年12月13日(火)に開催する新製品紹介セミナーでも『Web Interface』のご紹介をいたします。
ご興味ございましたら是非ご参加ください。
セミナーの詳細及びお申し込み等は、次のページをご覧ください。
アンテナハウス新製品紹介セミナー [Server Based Converter]、[AH Formatter] の新バージョンのご紹介

 


AH Formatter 機能のご紹介:マルチメディアの参照

AH Formatter』では、V6.3 改訂1版よりマルチメディアを PDF に埋め込むかどうかが指定可能になりました。
axf:multimedia-treatment / CSS -ah-multimedia-treatment(オンラインマニュアル)

『AH Formatter』のサンプルFO集には、本機能の “relative-link(マルチメディアを相対パスで参照)” の動作が確認できるサンプル「マルチメディアの参照 (, axf:multimedia-treatment, content-type)」を掲載しております。

開発の発端は、Web に公開する PDF のファイルサイズを小さくするため、PDF に動画を埋め込まずに参照できるようにして欲しいというお客様からの要望でした。
この機能を用いて PDF を作成することで、マルチメディアを含んだ PDF のファイルサイズ軽減を実現できます。

『AH Formatter』は主にバージョンアップのたびに機能強化や新機能の追加を行っています。
“あったら便利な機能” も既に追加されていることがございますので、どうぞお気軽にサポートにお問い合わせください。
未実装の機能であれば、ご要望として承り、今後の開発の参考にさせていただきます。

『AH Formatter』の評価版は次のページよりお申し込みいただけます。ご興味のある方は是非お試しください。
AH Formatter 評価版のお申し込み

 


SAPの大規模DITA導入事例の進展(2016年11月)

前回(ドイツTC World Conference 2016でのDITA)に続き、ドイツのDITA報告です。

ドイツに本社をもつSAPは全世界をカバーする大規模なDITA導入を進めています。
11月8日Tekomでは、Dr. Sven Leukert氏(独SAP)とPriscilla Buckley氏(仏SAP)による「From Custom XML to DITA」と題する講演があり、また11月13日のDITA OT Dayでは、「Large Scale Production Using Project Maps」という題でyoussef Bennani (仏SAP)の報告がありました。さらに、11月14日~15日に開催されたDITA Europe 2016でも二つのセッションで発表がありました。

SAPのDITAについては、2年前にDITAコンソーシアムジャパンのFestaでDr. Sven Leukertに講演していただきました。SAPはそれまで独自のCMSと独自XMLを使っていましたが、2011年に全社的にDITAを導入することを決め、IXIASOFTのCMSを選択しました。SAPは多くの企業や製品のM&Aを進めており、社内でドキュメント制作の方法がバラバラになってしまったことから、DITAを採用してドキュメント制作を効率化する狙いがありました。

移行のためにChange Management(移行管理)専門の担当者を配置し、また影響を受ける各領域のワークグループとChange Agent(移行担当者)が中央のプロジェクトと連携して移行を進めるという組織的かつ大がかりな移行を計画しました。

2012年第1四半期にキックオフし、2012年第4四半期に、HANAのユーザーガイドをDITAで制作したガイドが初リリースとなりました。その後もDITAの展開をすすめ、2016年には、オーサー700人以上で300製品、47言語、DITAファイルは320万以上に達するとのことです。これを、20種類以上の形式で、毎夜6万以上、自動的に出版しています(レビュー用の出版のようです)。出版の形式には、HTML5やWebHELPなどのオンライン用形式やPDFを含んでおり、PDF生成には、Antenna House Formatterが使われています。SAPのプロジェクトは、恐らく現時点で世界最大のDITAプロジェクトと思われます。

SAPのDITAの成果物生成でキーになっているのはProject Mapです。Project MapはDITAのmapを特殊化したもので、製品毎に成果物の出力条件を設定しています。成果物の形式(HTML、CHM、PDF、Eclipshelpなど)はプロジェクトにより、少ないものから、多いものがあります。小さなProjectでは、Project Mapは10件に満たないようですが、大きなProjectでは数百になることがあるようです。Project MapはCMSに統合されているEclispe開発環境で管理しています。

ERP、CRM、SCMなどの製品には共通の基本部(Basis)が使われています。Project Mapには製品と基本部で分けて作成階層化されており、依存関係を規定します。成果物の生成時にはProject Mapに規定される依存関係でリンクをチェックして、正しくないリンクは削除して、エラーをログに出力します。執筆担当者は、ログをみてリンクの設定を修正できます。


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