DITAコンソーシアムジャパン主催 DITA Workshop!

2月6日、DITAコンソーシアムジャパン主催のDITA Workshopが開催されました。講師としてアメリカのComtech Services社の代表であるJoAnn Hackosさんをお招きしました。
JoAnnさんはDITAコンサルとしてとても有名な方で、毎年ヨーロッパとアメリカでCMSやDITA関連のカンファレンスを開催されています。

丸一日かけてのWorkshopでとても有意義なものでした。
「conditionalは何年も使っていると収拾がつかなくなるからkeyrefやconkeyrefを検討した方かいいかもよ」とか「トラブルシューティング トピックタイプを作るようOASISに強く働きかけている」などなど…
その他にも、情報をDITA化するにあたってどのように整理したらいいか、など参考になる話が盛りだくさんでした。
中でも一番面白かったのが、あるスマートフォンメーカのマニュアル制作の事例でした。
まず、DITA導入前のマニュアルを提示しながら「”About this guide”なんていう誰も読まないものを載せる必要があるのか?」(ここで参加者一同苦笑い)とか「このマニュアルにはGetting startedが2つあるけどそれでいいの?」などと、もっときちんと情報整理しないとだめだということを強く主張されていました。で、そのあとにDITA導入後のマニュアルを見たのですが、なんとページ数が半分に減っているのです。
ここでJoAnnさんが言いたいのは、「DITAを導入すればいいっていうものではなく、情報を整理しなきゃだめ」ということです。
今、多くの企業がDITA導入を検討されています。けれど(DITA以前に)過去の悪い慣習をばっさりと切り落とす覚悟ができているのか、ということが問われているのだと思いました。「DITAを導入して今までと同じマニュアルが作れるのだろうか」という不安を多くの方がお持ちだと思うのですが、そうではなく「今までと同じマニュアルでいいのだろうか」を出発点にしようというのがJoAnnさんの考えですね。
それから「製品が何か」ではなく「ユーザが知りたいことは何か」という視点で書かないといけないという話はまったくごもっともでした。
今回のWorkshop、コンソーシアムの会員向けのもので、残念ながら非会員の方は参加できませんでした。今後もこういったWorkshopやセミナーが開催されるはずですので、DITA導入を検討されている企業さんにはぜひ会員になっていただきたいと思います。