EPUB3.0へのCSS3採用の推進に関して

2011年5月策定を目指して、EPUB3.0の仕様策定作業は急ピッチで進んでいます。先週の頭には、サンフランシスコで世界各国の要求事項を絞込み、整理する作業が行われています。
 
要求事項の中でも重要な項目として、縦書き他の日本語組版機能があります。EPUBは、独自の仕様を書き下ろすのではなく、外部の標準的な仕様を参照し、利用する形になります。日本語組版機能に関しては、CSS3で策定作業が行われており、EPUBではCSS3を利用することになります。
 
ところが、CSS3はまだ仕様策定の途中あり、EPUBで必要とする日本語組版機能は、次の二つのモジュールとして進んでいます。
 
(1)CSS Text Level 3
(2)CSS Writing Modes Module Level 3
CSS3側から見ますと、CSS3に縦書きを含む日本語レイアウト機能を盛り込む意義は、当面、書籍形式であるEPUBにそれが採用されるかどうかが重要なポイントになると思われます。
 
CSS3縦書き機能が、もしEPUB3.0の仕様策定作業に間に合わず、EPUB3.0で独自縦書き方式を採用するか、各メーカでがばらばらになった場合、ひとつのコンテンツに対して、異なるレイアウト指定方法が必要となり出版界にとって損失が大きいように思います。
 
そのようなことから、弊社は、CSS3がEPUB3.0に採用されるために努力すべきとの判断をしております。